SUUMOやHOME'Sで「このマンション、○千万円で出てるんだ」と見て、自分のマンションも同じくらいで売れると思っていませんか?
それは危険な勘違いです。
ポータルサイトに載っている価格は「売出価格」——売主の希望価格です。実際に買い手がついて契約が成立した「成約価格」とは、まったく別物です。
私がマンションリサーチを経営していた時に分析したデータでは、中古マンションの売出価格と成約価格の間には平均で5〜10%の乖離がありました。3,000万円の売出物件なら、実際には2,700〜2,850万円で成約するケースが多い。
さらに厄介なのは、売れなかった物件の売出価格はデータに残り続けるということです。半年間売れずに掲載されている物件の価格は、市場が「その価格では買わない」と判断した価格です。それを相場と思い込むのは危険です。
答えはシンプルです。広告主である不動産仲介会社にとって不都合だからです。
仲介会社のビジネスモデルを考えてみてください。売主から媒介契約を獲得するには、「うちならこの価格で売れます」と高めの査定を出す必要がある。成約価格のデータが公開されてしまうと、「査定額は高いけど、実際にはそこまで高く売れていない」ことが売主にバレてしまいます。
ポータルサイトと仲介会社の利害は一致している。だから成約価格は表に出てこない。これが不動産業界の構造的な問題です。
当サイトで公開しているデータは、すべて国土交通省が公開する成約価格です。実際に売買が成立した価格であり、売主の希望価格ではありません。
たとえば恵比寿のマンション相場を見ると、㎡単価137.5万円。これは「恵比寿で実際にマンションが売れた時の平均㎡単価」です。
あなたのマンションの相場を調べる時は、売出価格ではなく成約価格で見る。これだけで、不動産会社との交渉力が一段上がります。